「ふるさと納税」お得すぎるしくみを解説!

2021年7月28日

「ふるさと納税」と聞くと、とてもお得で、美味しい特産物が全国から送られてきて…というイメージがあります。

でも手続きが面倒なのでは?会社にも届け出が必要?税金ってよくわからないし、など

不明点が多いと躊躇してしまいがちです。

ここではしくみやメリットをご紹介しますので、是非最後まで目を通してみてください。

ふるさと納税って?

ふるさと納税元年は2008年ですので、意外と歴史は長いのです。

スタート当初は知名度がなかなか広まらず、利用者数が伸びませんでした。

元はと言えば、都心で暮らす人たちが、故郷やその他の自治体を応援できることはないかという提案から始まりました。

そのために議論、検討を重ね、現在の寄付金制度が生まれました。

豪華でお得な返礼品を受け取るのが目的ではなく、人口が少なくなってしまったような自治体を後押しするのが目的なのです。

「納税」という表現なので税金と思われがちですが、実際は「寄付」になります。

「寄付」があったお礼として、地域の特産品などが送られてきます。

この特産品が「返礼品」です。

用途を指定して寄付することも可能です。

多くの自治体に、寄付がその後何に使われるかを指定できる制度があります。

医療や福祉、子育て、災害からの復興支援など、様々な選択肢から選ぶことができます。

2012年の「東日本大震災」で被災した岩手、宮城、福島は、この時期に日本中から寄付金が集まりました。

ふるさと納税を利用してみよう

まず最初に「控除限度額」を調べます。

各自治体の公式サイトで申込みもできます。

下記のふるさと納税に関するポータルサイトから、シュミレーションしてみるのが分かりやすいと思います。

楽天ふるさと納税

ふるなび

ふるさとチョイス

自分の家族構成と年収、住宅ローンの有無などを入力すると、自己負担額2,000円を除いた、全額が控除される寄付金額の上限が計算されます。

上限を超えて寄付することも可能ですが、超えた部分は自己負担となりますので注意が必要です。

上記のようなシュミレーションは、給与所得者用に作られているものがほとんどです。

確定申告が必要な個人事業主は計算方法が別となりますので確認しましょう。

控除限度額がわかったら返礼品を選びましょう。

返礼品だけでなく、宿泊券や施設の優待券、動物愛護、子育て支援など選択できる自治体もあります。

正確な上限金額を知りたい場合は、税理士もしくはお住いの自治体に確認してみてください。

※控除とは:金額を差し引くという意味。税金の計算の際によく使われます。所得税からの控除が多いと、税金の支払いが少なく済みます。

寄附金額控除のしくみ

自治体を選び、寄付をした金額の中で、2,000円を超えた額が所得税と住民税から控除されます。寄付金は、手続きをすれば支払うべき税金から控除されます。

簡単な例に例えると、10,000円をふるさと納税で寄付するとします。

10,000円-2,000円=8,000円が所得税と住民税から控除されます。

同じように5つの自治体に寄付したとして、8,000円×5=40,000円が、2,000円の負担のみで控除されます。

◎所得税の控除(還付)

  ふるさと納税寄付金-2,000円×所得税率(所得金額によって0~45%)

  ※寄付金が10,000円の場合は800円が還付されます。

◎住民税からの控除(基本分)

  ふるさと納税寄附金-2,000円×10%

  ※寄付金が10,000円の場合は800円住民税からの控除になります。

◎住民税からの控除(特例分)

  ふるさと納税寄附金-2,000円×100%-10%(基本分の税額控除)-所得税率

  ※寄付金が10,000円の場合は6,400円住民税からの控除になります。

上記3つの合計金額が、ふるさと納税で受けられる控除金額となります。

所得税分控除額+住民税分控除額(基本分)+住民税分控除額(特例分)=ふるさと納税控除額

ただし、住宅ローンや医療費で控除を受けている人は上限額が変わってくる場合があります。

寄附金控除の手続き

ふるさと納税の申請は、ワンストップ特例制度確定申告の2種類になります。

ワンストップ特例制度とは、確定申告の必要のない人が簡単に手続きできる制度です。

今回はワンストップ特例制度について解説します。

ワンストップ特例制度について

ふるさと納税スタート時は、この制度がなかったためになかなかふるさと納税は広まりませんでした。

ですがこの制度が導入されてからは、利用者が年々増加傾向にあります。

ワンストップ特例制度を利用できるのは、確定申告や住民税申告が必要ない方、ふるさと納税の申込みが5自治体以下の方です。

同じ自治体に何度申込みをしても、自治体数は1としてカウントされます。

住宅ローンや医療費控除等で確定申告が必要な方は、ワンストップ特例制度は利用できません。

寄付先の自治体を決め、返礼品等を申し込みます。

すると、寄付先の自治体からワンストップ特例制度の申請書が届きます。

ポータルサイトによっては、申請書をダウンロードできるので印刷して使うことが出来ます。

申請書は、必要事項を記入し自治体へ返送します。

返送期日は翌年の1月10日までとなります。間に合わなかった場合は確定申告が必要となります。

すると翌6月に、今住んでいる自治体から、住民税控除のお知らせが届きます。

これで実際いくらが控除されているか確認できます。

ワンストップ特例制度では、所得税からの還付はなく、住民税からのみ控除されます。

所得税の分も合わせて住民税から控除され、結果同じ金額が控除されますので安心して下さい。

確定申告をしてしまうと、ワンストップ特例制度は無効になってしまいますので気を付けましょう。

申請後、翌年の1月1日までの間に、住所氏名の変更があった場合、自治体に「申告特例申請事項変更届書」の提出が必要になります。

申請の際に、マイナンバーに係る書類が必要になります。

◇マイナンバーをお持ちの方は、両面コピー

◇通知カードのみお持ちの方は通知カードのコピーもしくは住民票コピーに加え

 運転免許証コピーもしくはパスポートコピーが必要

◇通知カードのみお持ちの方は通知カードのコピーに加え下記書類のうち2種類のコピーが必要

 ・健康保険証 ・年金手帳 ・提出先自治体が認める公的書類

上記書類と、ワンストップ特例制度の申請用紙を忘れず期日までに郵送してください。

ふるさと納税のメリット

ふるさと納税が年々人気を得ているのは、豪華な返礼品を受け取れることではないでしょうか。

海の幸、山の幸、スイーツ、野菜、地元のお酒など、ランキングにしているサイトもいくつもあり、迷ってしまいますね。

自然災害などに遭った自治体は、支援を呼びかけ寄付を募っているので、返礼品がない場合もあります。

利用者は納税先の自治体を選ぶことができます。それがその地域を応援することに繋がります。

生まれ育った町を出て、若い人が減ってしまう地方の自治体は少なくありません。

人口が減ると、納税者が減り、その財政は厳しいものとなります。

そういった地域を、遠くからでも応援できるのがふるさと納税です。

地域の活性化に繋がりますので、それぞれが魅力的な返礼品でアピールしているわけです。

ふるさと納税のポータルサイトの中で、ポイントを獲得できるサイトもあります。

返礼品を受け取れて、税金も控除され、ポイントももらえるなんて、利用しない手はないですね。

寄付の使い道を確認することができます。

寄付する側からみれば、寄付金が何に使われるか気になります。

それを選択できる自治体であれば安心ですし、人の為に役立っている実感も得られます。

応援のしがいがありますね。

ふるさと納税は減税や節税にはなりません

ただし注意していただきたいのが、ふるさと納税は「減税や節税にはならない」という点です。

これを勘違いしている方が多く見受けられます。

もともと住んでいる自治体に支払う税金を、好きな自治体を選んで寄付します。

そしてその返戻品を2,000円で受け取れる、ということなので

税金を前払いしているに過ぎないのです。

豪華な返礼品がたくさんあるので、2,000円の負担でそれを受け取れる、という利点に人気が集まっているという事です。

まとめ

人気のふるさと納税をご紹介しましたが、いかがでしたか?

メリットがたくさんの制度ですが、控除限度額を超えて寄付してしまうと自己負担となります。

税金の前払いなので、その分の費用の準備も必要です。

上限以上の寄付も可能ですが、うっかりなんてことのないように気をつけましょう。

ふるさと納税は1年中行えますが、年末に駆け込みで申込みの場合は、ワンストップ特例制度の締切日に注意してください。

自治体によっては12月早めに締切りを設けている場合もあります。

それぞれ事前に調査し、余裕をもって申請しましょう

特産物を選んだり、復興資金として寄付したり、それを迷うのも楽しみの一つです。

是非ふるさと納税で好きな自治体を応援しましょう。