不動産投資に必要な出口戦略とは不動産を高く売却するための3つのコツを解説!

2021年7月28日

定期的な賃料収入を得ることができる不動産投資が人気を集めています。伝統的な資産として価値も高い不動産ですが、出口戦略も見据えて投資をすることが重要です。

出口戦略とは投資をやめるタイミング。つまり、不動産を売却する時です。不動産の出口戦略の重要性や高く売却するための3つのコツを紹介します。

なぜ不動産投資は出口戦略が必要か

まず、なぜ不動産投資に出口戦略が必要なのか解説します。

不動産は他人に貸して賃料収入を得ることができるのが最大の魅力です。

しかし、初期投資の金額が高いため投資金額を賃料だけで回収するためには相当な時間が必要です。

しかし、ある程度賃料を得て、あまり価格を下げずに売却することができれば利益を確定することができます。

例えば5,000万円の不動産を購入し、2,000万円の賃料を得た時点で、4,000万円で売却することができれば1,000万円の利益を確定することができます。

一方で5,000万円の不動産を購入し、2,000万円の賃料を得た時点で、2,000万円で売却した場合、不動産投資によって1,000万円の損失になってしまいます。

このように、不動産がいくらで売れるか確定した時点で不動産投資の利益が確定するため賃料収入だけでなく出口戦略が重要となるのです。

出口戦略が立てやすい不動産

出口戦略が立てやすい不動産はどのようなものがあるのでしょうか。具体的にみていきましょう。

ファミリータイプのマンション

ファミリータイプのマンションとは3LDKなど、子供がいる世帯が暮らすことが多い間取りの部屋です。

ファミリータイプのマンションは賃貸用としての需要もありますが中古マンションとして購入したいと考える需要も旺盛です。

子育て世帯は安定的な定職についていることが多いため、住宅ローンを組みやすく、購入資金にも問題ありません。ファミリータイプのマンションは出口戦略が立てやすい不動産と言えるでしょう。

一戸建て

一戸建てもファミリータイプのマンションと同じく子育て世帯の購入需要を見込むことができます。特に学校が多く、子育てがしやすいエリアであれば長く住むために購入を希望する人が多く、出口戦略が立てやすくなります。

投資用として購入する場合も購入ニーズが旺盛なエリアなのか調べてみるのもよいでしょう。

ワンルームマンション

ワンルームマンションとは一人暮らし用のマンションです。ワンルームマンションはファミリータイプのマンションや一戸建てのように自分で住むために購入する人は多くありませんが、投資用として人気があります。

不動産投資に興味があっても大きな金額を投資することが難しい方も多くいます。

ワンルームマンションは比較的価格が安いため、不動産投資初心者でも投資がしやすい物件です。

出口戦略が立てにくい不動産

出口戦略が立てにくい不動産とはどのようなものがあるのでしょうか具体的に確認しておきましょう。

再建築不可の不動産

現在建物が建っている物件でも取り壊すと再建築できない場合があります。建築基準法では接道義務があり、幅員4m以上の道路に2m以上接道していなければ建物を建築することができません。

現在建物が建っていたとしても建物が老朽化した場合、新たな建物を建てることができないため、現在の入居者が退去した場合に新しく募集することがかなり困難です。

再建築不可の物件はかなり用途が限られるため、売却することが難しくなります。再建築不可物件は利回りが高くても出口戦略が立てにくいため注意が必要です。

権利関係が複雑な不動産

不動産には所有権だけでなく、さまざまな権利があります。土地を借りて建物を建てる権利がある借地権や債務者がお金を返せなくなった際に金融機関などが不動産を売却することができる抵当権など権利関係が複雑な場合があります。

権利関係が複雑な不動産は購入後にトラブルに巻き込まれる可能性があるため、購入希望者が躊躇する場合もあります。

結果として値段を下げざるを得ないこともありますので、権利関係が複雑な不動産は注意が必要です。

事故物件

事故物件とは自殺などで人が亡くなったり、借金を返せなくなった結果、競売にかけられて売られたりした不動産などを指します。事故物件は周辺相場よりもかなり安く購入することができます。

しかし、他の購入希望者からも敬遠されることが多く売りにくくなってしまいますので、出口戦略は難しくなるでしょう。

事故物件は安く仕入れることで大きな利益を得ることもできますがリスクが高いため注意が必要です。

特殊な間取り

不動産の中には設計者のこだわりが強く特殊な間取りになっているものがあります。デザイナーズマンションと呼ばれるものや注文住宅でこだわりの強い方が建てた戸建てなどです。特殊な間取りはおしゃれで魅力的なものがある一方で、万人に理解が得られず売却に苦労するケースもあります。

出口戦略も考えるとオーソドックスな間取りの方が売却もしやすく無難な投資と言えるでしょう。

価格が高い一棟アパート

一棟アパートは複数の部屋を賃貸に出すため、収入も多くなります。また、土地に対しての運営効率も良いため利回りが高く、魅力的な投資対象です。

しかし、一棟アパートは出口戦略が立てにくいと言えるでしょう。その理由の一つはファミリータイプのマンションや一戸建てのように自分で住むために購入することができないと言うことです。一棟アパートは複数の部屋があるため、売却対象は不動産投資家のみです。

また、一棟アパートは価格も高くなります。土地と建物あわせて1億円を超えるものも多くありますが、1億円の不動産投資を行える人はそう多くはありません。

一棟アパートはファミリータイプのマンションや一戸建てに比べて購入を検討する層が少ないため売却するまで時間がかかると考えた方が良いでしょう。

売却しやすい時期とは

不動産には売却しやすい時期があります。どのような時期が売却しやすいのでしょうか。

空室状態

ファミリータイプのマンションや一戸建ては自分で使用するために購入する層も多くいます。賃貸中の物件はすぐに住むことができないため、投資用の不動産を購入しようとしている人しか検討することはありません。

一棟アパートやワンルームマンションなど元々収益用として購入することが多い物件は賃貸中の方が高く売れることも多いですが、ファミリータイプのマンションや一戸建ては空室で即入居できる物件は人気があります。

2月~3月の繁忙期

不動産は新年度が始まると前の2〜3月が最も売れやすい時期です。購入希望者も多いため、高値で決まることも多くあります。

3月の下旬以降には購入希望者の多くが購入済みとなるため、契約が決まりにくくなります。

不動産は時期も見て売却することが重要です。

少しでも高く売るための3つのコツ

不動産を高く売るためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

外観を綺麗にしておく

不動産は見た目も重要です。外壁やドアなど外から見える部分は不動産の「顔」です。

外観を綺麗にするだけで不動産の印象は大きく変わります。

少ない予算で外観を綺麗にすることにより高値で売れることもありますので、売却前に見た目を整えておくことを検討してみてもよいでしょう。

複数の業者の声をかける

不動産は購入を希望する人が一人でもいれば高値で売れる世界です。不動産の業者にはそれぞれの固定顧客がいますので、複数の業者に売却を依頼することで高く売れることもあります。不動産を売却する場合は複数の業者に声をかけるようにしましょう。

時間的に余裕を持って売却する

不動産には売却に適している時期があります。

全ての不動産に共通するのは2月〜3月が売却しやすい時期です。他にも不動産によって個別の事情があります。例えばファミリータイプのマンションや一戸建てであれば空室になったタイミングなどがあげられます。

急いで売却しようとすると適切なタイミングで売ることができず、相場より安い価格で売却することになるかもしれません。時間的に余裕を持って売却することで、高値で売ることが可能です。

まとめ

不動産投資を考えるうえで、保有期間中の利回りだけでなく、出口戦略を考えておくことも重要です。

不動産によっては売却することが難しい財産もありますので、購入する時点で出口戦略を立てやすい不動産か否かを見極めておく必要があります。

また、売却を検討してからも少しの工夫で高く売れる可能性があります。売却の際には今回ご紹介した3つのコツを行なって高く売ることができるように検討してみましょう。