おすすめのiDeCoとNISA の使い分けを解説【投資初心者向け】
投資に興味がある方なら、「iDeCo」「NISA」という名称は聞いたことがあると思います。iDeCoとNISAは、国が長期の資産形成を促す目的で始まった制度です。それぞれにメリット・デメリットがありますが、両者ともに、上手に活用することで、節税をしつつ資産を形成できる制度になります。すなわち、「投資効率を高める効果」があるのです。
しかし、iDeCoもNISAも利用したことがない初心者としては「どっちから始めるべきなの?」「それとも両方始めた方がいいの?」など、お悩みポイントも多いと思います。
この記事では、iDeCoとNISAの概要をお伝えするだけでなく、初心者におすすめの使い分け方も説明しています。最後まで読んでいただければ、必ず自分に合った活用方法を見つけられるはずです。
iDeCoとNISAを徹底的に活用して、効率的に資産形成をおこないましょう!
iDeCoとNISAを始める前に理解すべき投資の税金
iDeCoとNISAについて説明する前に、投資の税金について簡単にお話したいと思います。「投資にも税金ってかかるの?」という初心者の方は、特に要チェックですよ。
投資活動の目的は、「お金を増やすこと」「利益を得る」だと思いますが、実は、投資によって得た利益には税金が課せられるのです。
投資の利益は、分配益と譲渡益に大別することが出来ますが、ここでは分かりやすく、譲渡益の税金について考えてみましょう。ちなみに譲渡益とは、株式などを売却することで得られる利益のことを指します。
例えば、あなたが企業Aの株式を100万円分購入したとしましょう。企業Aの業績は好調で、売り出す商品は飛ぶように売れていきます。当然、株価式もウナギ登りで、100万円で購入した株式は150万円に値上がりしました。
このタイミングで株式を売却した場合、利益は150万円-100万円=50万円になります。しかし、投資利益には20.315%の税が課せられるため、50万円×20.315%=約10万円の税金を納税しなければならないのです。
このように、投資の利益には税が課せられるのが常です。苦労して運用しても、その儲けをまるまる自分のものにはできないのです。
iDeCoとNISAって何?
ここでは、iDeCoとNISAの概要について、初心者にも分かりやすくお伝えしています。
iDeCoって何?
iDeCoとは「自分で作る年金制度」のことです。みなさんも加入している公的年金は、国が用意した「強制加入の年金制度」ですが、iDeCoは「自分で積み立てる年金制度」なのです。
毎月積み立てる金額や、そのお金で購入する金融商品を自分の意思で決め、運用を行います。そして、60歳に到達したときに、積み立てた金額を受け取れるシステムになっています。
iDeCoの詳細はこちらの記事で解説しているので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。(→iDeCoの記事へ)
NISAって何?
NISAは、個人投資家のための税制優遇制度のことです。NISA口座という、非課税口座を開設し、この口座内で金融商品の取引をおこうことができます。そして、毎年一定金額の範囲内で、金融商品の運用益が非課税になる仕組みになっています。つまり、NISA口座内の取引であれば、どれだけ儲けを出しても税金を払う必要がないのです。
NISAには、NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの3種類があり、それぞれ上限金額や非課税期間が異なりますので、自分の目的に合ったNISAを選ぶようにしましょう。
NISAについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。(→NISAの記事へ。)
iDeCoとNISAの使い分け。初心者におすすめの方法を解説
初心者の方が悩むポイントの一つに、「iDeCoとNISAの使い分け方がわからない!」ことがあります。この章では、「こんな人にはiDeCoの方がおすすめだよ!」「その目的なら先にNISAを開設したほうがいいよ!」という具合に、具体的なパターンを挙げ、iDeCoとNISAのどちらがおすすめかをお伝えしています。
老後を見すえた長期投資なら iDeCo
iDeCoもNISAも、投資の運用益に対する税金が非課税になることはお伝えしましたが、実は非課税期間は制度ごとに異なります。
NISAの非課税期間が最長20年間であるのに対し(つみたてNISAの場合)、iDeCoは60歳を迎えるまで、ずーっと非課税期間が続きます。つまり、長期間の投資を前提に運用を始めるのであれば、NISAよりもiDeCoの方が非課税期間が長いぶん、お得と言えるでしょう。年齢が若い方であれば尚更です。
ただ、iDeCoには一つ注意点があります。それは「60歳まで資金を引き出せない」ことです。いつでも自由に引き出せるNISAと違い、一度積み立てたお金は原則引き出せません。そのため、iDeCoで積み立てるお金は、しばらく使用予定のない余剰金で始めることをおすすめします。
少額から始めたいならNISA
iDeCoとNISAでは、投資を始められる最低金額にも違いがあります。あまり投資経験がない方や、生活費だけでカツカツな方などは、少ない金額から投資を始めたいのではないでしょうか。
投資を始めるにあたり、iDeCoは最低でも5,000円が必要なのに対し、NISAは100円から投資をスタートすることが出来ます。
あまりにも少額だと運用の成果を実感しにくいですが、大きく負け越す心配もないため、気兼ねなく投資を始めることが出来ます。投資に慣れてきた段階で、設定金額を増額するのもありだと思います。
たくさん投資したい方はNISA
先ほどのケースとは逆に、「最初からたくさん投資したい」という方にもNISAがおすすめです。
NISAの上限金額は種類によって異なりますが、ふつうNISAを選択すれば年間最大120万円の非課税枠で投資をすることが出来ます。(ちなみに、積立NISAは年間40万円です)
対してiDeCoの場合、ご自身の就職先にもよりますが、14万4,000円から81万6,000円の範囲のいずれかで運用が可能です。
「資金に余裕がある」「投資効率を求めて投資額も最大で」という方は、NISA口座での資産運用が適しているのではないでしょうか。
たくさんの金融商品から選択したいなら iDeCo
iDeCoとNISAでは、投資対象の商品が異なります。すでに投資したい商品が決まっているのであれば、その商品を扱っている制度を選びましょう。また、口座開設する証券会社によっても、取扱商品が異なる場合があるので注意して下さい。
まだ投資対象が決まっていない方で、より多くの金融商品から選択したい方はiDeCoを選ぶとよいでしょう。iDeCoの投資対象は無数にあり、定期預金などの元本保証タイプの商品も扱っています。一方NISAには元本保証タイプはないので、「100%損をしない投資がいい!」という方も、iDeCoがおすすめといえます。
まとめ:iDeCoとNISAの特徴をつかんで、自分に合った方を始めよう
この記事では、iDeCoとNISAの特徴と、具体的な使い分けについて解説してきました。それぞれの制度にメリットとデメリットが存在するので、その特徴をよく理解した上で、自分に合った制度を利用しましょう。
もちろん、iDeCoとNISAの両方を同時に利用することも可能です。両者を併用すれば、投資効率をさらに高めることができます。投資に慣れてきたら、iDeCoとNISAの併用にチャレンジしてもいいかもしれませんね。