REIT(リート)なら誰でも不動産オーナーになれる!メリット・デメリットを解説

2021年7月28日

REITは、不特定多数の投資家から集めた資金で不動産を購入し、そこから得られる利益を受け取れる投資商品です。実物不動産に比べて、少額の資金で不動産オーナーになれるため、現在たくさんの投資から人気を集めています。しかも、実物不動産投資では到底購入できないような、大型施設のオーナーになることもできるため、利益だけでなく投資家の所有欲も満たしてくれることでしょう。

今回の記事では、いま話題のREITについて、仕組みやメリット、デメリットをお伝えしています。不動産投資に興味がある方、新しい投資先をお探しの方にとって、REITは有力な投資先になると思います。既に投資を始めている方であれば、REITは株とは異なる値動きをする金融商品のため、分散効果を高めることもできますよ。ご興味のある方は、ぜひお付き合いください。

REITとは?

REIT(リート)は「Real Estate Investment Trust」の略称で、投資家から集金した資金を元手に、不動産へ投資を行う金融商品です。多くの投資家から資金を集めるため、投資家一人の資金は少額でも不動産のオーナーになれるのです。投資対象は不動産ですが、法律上は投資信託に分類されるため、「不動産投資信託」とも呼ばれます。

投資によって買い付けた不動産は、第3者に貸し出されて賃貸料を得たり、売却することでキャピタルゲインを獲得できたりします。こうして得られた利益を、保有銘柄数に応じて投資家に配分する仕組みになっています。

ちなみに、REITというシステムは米国でつくられ、日本に輸入されてきたものです。そのため国内のREITは、JAPANの「J」を取って「Jー REIT」と呼ばれます。

REITのメリット

REITは投資信託に分類される投資商品です。そのため、実物不動産投資では考えられない、数々のメリットがあるのです。ここでは、 REITのメリットを4つのポイントからお伝えしたいと思います。

少額で不動産オーナーになれる

一般的に不動産投資には多額な資金が必要です。アパートなどの賃貸物件であれば、個人投資家であっても銀行ローンを組むことで何とか購入可能です。しかし、大型商業施設やリゾートホテルは、どう頑張っても個人レベルでの購入は不可能です。

一方、 REITは10万円程度から商品を購入することができます。手元にある少額の投資資金だけで不動産オーナーになれるのが、 REITの最大のメリットと言えるでしょう。大型ショッピングモールに出かけた時に「実はこの施設のオーナーなんだ!」と自慢できるかもしれませんよ。

分散投資の効果がある

投資対象の不動産には、いくつもの種類があります。賃貸住宅だけでなく、ホテルや事業所、倉庫など、多様な不動産に投資が可能なのです。

そして、投資対象を選定する場合は、なるべく様々な施設に分散投資することをおすすめします。新型コロナウイルスによって、ホテルなどの観光業が大きな打撃を受けたことは記憶に新しいと思います。観光施設へ集中投資していた投資家が大損をした一方、倉庫などの物量業へも分散をしていた投資家は、比較的被害が少なく済みました。このように投資対象を分散することは投資の基本であり、REITもその例外ではありません。

ちなみに、実物の不動産投資で分散投資をすることは非常に難しいのです。投資家の手元資金には限りがある上に、銀行ローンも無限に借りられるわけではありません。そのため、よっぽどの高収入でもない限り、複数の投資用不動産を購入して資産を分散することは困難なのです。

お手軽に複数の不動産に分散投資できるのは、REITの大きなメリットと言えるでしょう。

実売不動産よりも売買しやすい

REITは証券取引所に上場している投資信託商品です。そのため、株式やETFなどのように容易に売買ができます。

一方、実物不動産を考えると、その売買は簡単ではありません。なぜなら、実物不動産の売買は、契約相手ありきの投資だからです。自分がアパートを売りたい、買いたいと思っても、相手方が契約内容に同意しなければ売買は実現しません。加えて、売買が成立したとしても、不動産登記の手続きや登録諸費用、不動産取得税など、資金も手間もかかります。

実物不動産よりも圧倒的に流動性が高く、売り買いがしやすいREITは、初心者でも始めやすい不動産投資なのです。

不動産の管理が不要

投資用不動産は保有しているだけでインカムゲインを獲得できるイメージがありますが、実際のところは管理に手間がかかります。定期的な外壁塗装や入退去に伴うクリーニングなど、頻繁なメンテナンスが必要なのです。

しかし、 REITにおいて投資家がすることといえば、銘柄の売り買いだけです。面倒なメンテナンスはすべてプロの業者に委託できるため、管理の手間がありません。

不動産投資に憧れはあるけど、個人での不動産経営に自信がない方は、 REITでの不動産経営をおすすめします。

REITのデメリット

もちろん、 REITにもいくつかのデメリットがあります。投資信託に分類されてはいますが、投資対象が不動産である事実に変わりはなく、株や債券とは違った不動産特有のリスクがあるのです。それぞれ詳細を見ていきましょう。

ボラティリティが比較的大きい

ボラティリティとは、変動性のことです。つまり、ボラティリティが大きいということは、大きく儲けられる可能性もあるけれど、大損をこうむるリスクも抱えているということです。

REITは金融商品のなかでも、ボラティリティが大きい金融商品です。それは、株や債券などの流動資産と比べた場合だけでなく、実物の不動産投資と比べても価格変動が大きいという意味になります。

そのため、REIT単独の投資方針は危険と言えます。必ず、別の値動きをする金融商品と組み合わせたポートフォリオを構築することをおすすめします。

不動産特有のデメリットがある

REITは投資信託に分類されますが、投資対象が不動産であることには変わりありません。よって、実物不動産と同様のリスクも有しています。

例えば、火災や自然災害などが原因で、投資不動産が倒壊、損傷するリスクがあります。REITで享受できる分配金の源は、不動産が生む賃貸料や売却益です。そのため、不動産自体が損壊すると分配金が減配されたり、最悪、運営会社が倒産するリスクもあります。また、不動産の運営会社が倒産しなくても、証券取引所の上場が取り消されてしまえば、そのREIT銘柄も廃止されてしまいます。

金利リスク

金利とは、銀行などの金融機関から資金を調達する際の利率のことです。REITの運営会社は、個人投資家からだけでなく、金融機関からも資金を借り入れて、不動産の購入や運営をおこないます。

そのため、国の金融政策や景気の状況によって金利が引き上げられると、不動産収益の減額につながります。つまり、REITは金利変動リスクを抱えた投資商品なのです。しかし、金利が引き下げられれば、収益のアップにつながるため、金利リスクは一概にマイナス要因とは言えないでしょう。

まとめ

今回の記事では、REITという金融商品の概要と、メリット・デメリットについてお伝えしました。

REITは不動産を対象とする投資ですが、投資信託にも分類される商品です。そのため、株や債券などとは一線を画す投資対象と言えるでしょう。

不動産を購入するといっても、一般的な投資信託と同様、少額からの投資が可能です。実物不動産と比較して、圧倒的な安さで不動産オーナーになれる点が最大の魅力になります。銘柄によっては、有名ホテルや大型ショッピングモールのオーナーにもなることができますよ。投資利益だけでなく、所有欲も満たしてくれる投資商品は、REITを除いて他にはないでしょう。

また、実物不動産では不可能な「投資先の分散化」も、REITでは簡単にできます。個人投資家が複数の実物不動産を所有することは、金銭的に難しいと思われますが、REITではホテル、倉庫、商業施設など複数の業種に分散投資ができるのです。業種を分散することは、リスクを分散することに直結します。適切な分散をおこなえば、リターンを保ちながらリスクを軽減できるので、集中投資だけは避けるよう心がけて下さい。

一方、REITには不動産特有の投資リスクもありました。災害によって不動産が損壊を受けるケースや、不動産運営会社が倒産するリスクは、他の金融商品には見られない特徴です。加えて、ボラティリティが大きい特徴もあるため、大きく儲けられる可能性がある一方、損をするリスクもあるのです。ぜひ、REIT投資だけでなく、株や債券と組み合わせて投資をするようにしましょう。

REITは、誰でも手軽に不動産に投資ができる金融商品です。不動産オーナーに憧れている方、株式投資以外にもチャレンジしたい方は、ぜひお試しください。