投資初心者の失敗例とは?!4つのパターンから失敗の回避法を学ぼう

2021年7月28日

投資の失敗談は多々ありますが、初心者が陥りやすい失敗例には共通点が多いのも事実です。先駆者の失敗を知っておくことで、自分も同じ失敗を犯す可能性はかなり小さくなるでしょう。

今回の記事では、投資初心者が陥りやすい4つの失敗例をご紹介しています。今回の4パターンを回避するだけでも、投資初期の失敗リスクを大幅に下げられるでしょう。それぞれのパターンごとに回避方法にも触れているので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

金融機関でおすすめ金融商品を購入する

投資の知識がない場合、誰かに相談しつつ金融商品を購入できれば安心ですよね。特に、投資初心者が相談しやすい相手としては、「銀行」や「証券会社」など金融機関窓口が代表的ではないでしょうか。

金融機関窓口に相談をおこなうと、必ず言われるセリフが「いまイチオシの商品がこちらです」「この商品なら自信を持っておすすめできます」といったものです。商品の良し悪しを判断できない初心者だと、「金融機関に勤める専門家が勧めてくるんだから、きっと儲けられるに違いない!」と即決契約を交わしてしまうことも多いでしょう。特にターゲットにされやすいのが、「預金口座残高が多い利用者」や「退職金が振り込まれた直後の方」などです。別の要件で窓口を訪れたときや、場合によっては直接電話がかかってくることもあるでしょう。

しかし、商品詳細の理解が不十分なままに金融商品を買うのは絶対に止めて下さい。なぜなら、窓口担当者が勧めてくる商品は「損をする可能性が高い商品」だからです。9割以上が投資に値しない金融商品といっても過言ではありません。具体的な理由を以下の3つのポイントから解説したいと思います。

販売員が売りやすい商品を「おすすめ」しているだけ

銀行や証券会社の販売員の業績の一つが、「商品の販売実績」です。もちろん、利用者に対する的確なアドバイスも重要な業務ですが、アドバイスだけしていても商品を売らなければ上司の評価は芳しくありません。よって、販売員から見て売りやすい商品を「おすすめ商品」として販売することも多いのです。

そのおすすめ商品の代表例が「テーマ型商品」です。例えば、「東京オリンピック」「再生可能エネルギー」「ゲノム」「バイオテクノロジー」「シェールガス」など、その時代の流行をテーマとして取り上げた商品が販売されています。このテーマに分配金を受け取れるなどの売り文句をくっつけて、利用者の興味をひくのが常套手段です。みなさんも一度は勧誘を受けた経験があるのではないでしょうか。

これらテーマ型商品は、利用者が利益を上げるためにつくられてはいません。その実態は、金融機関が販売手数料や運用コストで儲けられる商品を勧めているにすぎないのです。金融機関も営利企業なので悪徳とはいいませんが、金融機関おすすめの商品は避けたほうが無難でしょう。

読者のみなさんも「金融機関の養分」にはならないよう、甘い誘い文句にはご注意ください。ある程度投資の知識がついて、商品の選定に自信を持てれば話を聞いてもよいかもしれませんね。

金融機関の商品は複雑なものが多い

金融機関が勧めてくる金融商品は、大抵が複雑な商品設計になっています。金融商品に限らず本当に価値のある商品はシンプルなことが多いのですが、あまりにシンプルな商品設計は販売員にとってはデメリットです。なぜなら、利用者にダメな商品であることがバレてしまうからです。利用者自身が他の商品とも比較しやすいので、高いコストとイマイチな運用結果が一目瞭然なのです。

また、商品が複雑なほど利用者は正しい判断ができない傾向があります。裏を返せば、高いリスクやマイナスの運用結果を隠すには絶好の隠れ蓑になるのです。投資初心者の方が「通貨選択型」「トリプルデッカー」「3倍ブル」などの専門用語を聞いても、すぐには理解できないでしょう。

高いリスクを隠して期待リターンの高さばかりを強調したり、高額な手数料が設定されていたりと、設計ばかりが複雑で中身のない商品も多々見られます。投資の鉄則は「分からないものには投資をしない」ことです。知識の浅い段階では、特に注意をしましょう。

コストが高すぎる

実生活において、同じ商品でも異なる値段設定がされていることは多いと思います。金融商品でも同じことがいえ、同じ商品でも金融機関によって手数料が大幅に違うことも珍しくありません。冗談でなく、数倍の手数料差に気付かないまま取引をしている方もいるのが現実です。

コストの高さは金融機関の利益に直結します。金融機関では、安いコストで運用可能な商品は紹介されないことを前提に提案を聞くようにしましょう。

相場に一喜一憂したタイミング投資

「タイミング投資」とは、株式投資であれば株価が下落するタイミングで購入し、高騰するタイミングで売却する手法のことです。たしかに投資の王道ともいえ、未経験者でもイメージしやすい利益の上げ方だと思います。

しかし、タイミング投資の最大のデメリットは「相場を読むのが難しい」ことに尽きます。投資の世界に長年身をおくプロの投資家でも、完全に相場を読むことはできません。ましてや、投資初心者であれば、ほぼほぼ不可能といっても過言ではないでしょう。最初の1、2回はビギナーズラックで利益を上げても、残念ながら長くは続きません。目先の利益ばかりを追い求めるタイミング投資でプラス利益を上げ続けることは、それほど難しいことなのです。

加えて、「行動経済学」と呼ばれる投資における心理を研究する結果からは、「人間は不条理な行動をする」ことが証明されています。例えば、「損失の苦痛は利益の喜びより2倍強く感じる」ことが分かっています。そのため、損失をこうむったときはマイナス利益を取り戻そうと、さらに高リスクの商品に手を出しがちなのです。

初心者の方は、相場に一喜一憂したタイミング投資は避けるようにしましょう。感情に作用された投資活動は、より大きな損失を出す可能性があります。このような短期投資の代わりに、インデックスファンドなどを利用した長期投資から始めてはいかがでしょうか。価格変動が緩やかな堅実な投資が期待できますよ。詳しくはこちらの記事で解説しているので、興味のある方はご参考ください。(→インデックス投資が初心者におすすめな4つの理由【長期資産運用に最適】リンク)

分配型商品を購入する

「毎月分配型」と聞いて、どのようなイメージを抱くでしょうか。投資に詳しくない方だと「毎月お金がもらえるなんてラッキー!」と思ってしまいそうですが、これは大きな誤解です。毎月利益を受け取れることは、はっきり言ってデメリットの方が大きいのです。

理由はいくつもありますが、その一つが「複利効果」を得られないことです。複利効果とは「利益が利益を生む効果」のことで、うまく活用すれば加速度的に利益が増加します。しかし、毎月分配型商品ではその利益を毎月受け取ってしまうため、元本はいつまでも成長しません。むしろ、運用成績のイマイチな商品の場合、元本を取り崩しながら分配金を工面するケースもあるのです。

加えて、毎月の分配金は課税の対象になります。分配金がないタイプのような「税金の繰延べ効果」に期待できないのは、大きなデメリットです。「つみたてNISA」の商品選定基準にも「分配金が頻繁に支払われない」と明記されているほど、毎月分配型は長期の資産形成には向かないのです。

「毎月お金が振り込まれますよ」という誘い文句に騙されないよう、ご注意ください。

YouTuberやSNSで紹介された金融機関に投資する

商品を勧めてくるのは金融機関だけではありません。最近では、インターネットを介して誰でも情報発信できるようになりました。それに伴って、特定の金融商品を紹介するYouTubeチャンネルやSNSも目立つようになってきました。

中立的な立場から正しい情報を伝える方がいる一方、「初心者でも15%のリターン」「買ったら放ったらかしでOK」など、簡単に儲けられることを強調した内容も見受けられます。商品の詳細を知った上で投資するならよいですが、メリットばかりの二次情報を鵜呑みにして投資をするのは危険と言わざるをえません。

「投資は自己責任」です。また、高いリターンには高いリスクが付きものです。必ず、投資家自身の目で目論見書等を確認してから商品を買い付けましょう。他人のせいにしたところで、損失は返ってこないのです。

まとめ

今回の記事では、初心者にありがちな失敗パターンを4例ご紹介しました。

投資初心者のうちは分からないことも多く、他人の言葉を鵜呑みにしがちです。しかし、他人の情報は正しいとは限りません。あくまでも情報の取捨選択は、投資家自身がする必要があります。最初は失敗もあるとは思いますが、少額から投資を始めればリカバリーも効きます。また、経験を積めば着実に知識も身につくでしょう。

厳しいようですが、投資は自己責任です。安定したリターンで豊かな生活を送るためにも、他人の意見は参考にとどめ自分の知識を磨くことを心がけましょう。