生命保険の必要性と種類について解説【積み立て型の保険は不要】
自分に何かあったときのために、生命保険に加入している人もいる多いと思います。
生命保険は自分が亡くなったときに、家族や大事な人にお金を残すための保険となっています。
しかし、なかには保険の本来の役割とは別に、不安だからなんとなく入っていたり、貯金代わりに積み立て型の保険に入ってしまっていたりする人もいるのではないでしょうか。
保険は入っていれば安心といったものではないので、本当に自分に必要な保険以外にも入ってしまうと、余計なお金を支払い、お金を貯めることから遠ざかってしまいます。
そこで本記事では、「保険の正しい入り方」や「生命保険の必要性」について解説していきます。
生命保険について加入を検討している方や、どんな保険に入るか悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
保険の正しい入り方
まず、保険の役割と正しい入り方について理解しておきましょう。
基本的に保険は、「低確率だが起きてしまったときに大損失」になるものに備えて入るものになります。
高確率なものや損失が小さいものは貯金で備えていくことが、大事な考えになるのです。
例として、低確率で大損失になる可能性があるものに備える保険としては、死亡保険、火災保険、自動車保険の3つが挙げられます。
火事を起こしてしまい周囲への損害を出した場合や、自動車で事故を起こしてしまった場合は、保険に加入していないと最大で数億円という金額を損害賠償金として、自己負担しなければいけなくなってしまいます。
このように起きる確率は非常に低くても、もし起きてしまった場合に大損失のリスクがあるものに備えて、保険に入るのが正しい保険の入り方になります。
生命保険の必要性
では生命保険は、どのような人に必要になるのか解説していきたいと思います。
生命保険も低確率で大損失のリスクに備えた保険になりますが、すべての人に該当するものではないので、自分に必要なのかをしっかりと考えてから加入を検討する必要があります。
生命保険にも掛け捨て型や積み立て型などがあるので、1つずつ解説していきたいと思います。
掛け捨て型の生命保険
掛け捨て型の生命保険は積み立て型と違い、毎月の保険料が後から返ってくることはありません。
保証期間は決まっていて、その期間中に亡くなった場合に保険金が支払われるものになっています。
保証期間は10年や20年といったように年数で決めるものと、60歳や65歳を満期としたものがあります。
年数で決めるタイプで、保険期間が満了すると更新できるものを「更新型」とも言います。
掛け捨て型の保険は、積み立て型よりも保険料が安くなっているのが特徴です。
積み立て型の生命保険
積み立て型の生命保険は毎月の保険料を積み立て、契約期間中は死亡保険金を受け取ることができ、解約する際に「解約返戻金」として経過期間に応じた金額を受け取ることができる保険になっています。
保険料は掛け捨て型と比べて高くなっていますが、解約時にはそれまでの積み立てよりもプラスになって返ってくるため、資産形成の手段の1つとして契約する人も多くいます。
死亡した時の保険金も受けとることができて、資産形成の手段にもなると考えて積み立て型の保険を契約する人もいますが、この積み立て型の保険は、本来は不要なものになります。
「お金を貯める」ことが目的の場合は、積み立て型の保険には入る必要がないのでその理由について解説していきます。
積み立て型の保険には入ってはいけない?
積み立て型の生命保険は、死亡したときの保証もされていて貯金の代わりにもなると思うかもしれませんが、保険を資産形成の手段として考えるのは注意が必要です。
貯金として考えるなら銀行に預ける方がよい
低金利な銀行にお金を預けても増えることはないので、積み立て型の保険なら銀行よりも増えて返ってくると考えるかもしれません。
しかし、積み立て型の保険は銀行とは異なり、いつでもお金を引き出すことはできません。急にお金が必要になった場合に、保険の場合は解約しなければお金をもらうことはできません。
そうすると、積み立てた保険金よりも少ない金額が解約金となり、結果としてマイナスになってしまいます。
こういったことから貯金として考えるには、銀行よりもリスクがあると言えます。
投資と保険を一緒に考えてはいけない
「積み立て型の保険ならお金が増える」という考えは、投資と保険を一緒に考えてしまっています。
この2つは別々で考えなければいけないもので、「お金を増やす」という観点では積み立て型の保険は良い商品ではありません。
積み立て型保険の平均利回りは、0.7%といわれています。毎月3万円を20年間積み立てた場合、770万円になります。
投資の場合、比較的現実的な利回り3%で考えると、同じく毎月3万円を20年間積み立てた場合は985万円になります。
このように20年間で、215万円もの差がでてしまいます。投資の場合はリスクがありますが、積み立て型保険の場合も同じくリスクがあり、必ず積み立てたお金が返ってくるというものではありません。
同じようにリスクをとって投資をするならば、保険ではなくもっとよい利回りのものに投資をすることによって、効率よくお金を増やすことができます。
そのため、保険でお金を増やそうとすることは利回りの非常に悪い投資商品を買うことと同じなので、保険と投資を同じにしてはいけないということになるのです。
生命保険が必要な人はどんな保険に入るべきなのか
ここまでは、生命保険の種類や必要性について解説してきましたが、実際にどんな人が生命保険に加入すべきなのかを解説していきたいと思います。
生命保険が必要な人とは
結論として、生命保険は「自分が亡くなったときに生活できなくなる人がいる場合」に加入しておく必要があります。
自分が一家の大黒柱で、奥さんや子どもがいる場合に家族を残して自分が亡くなってしまったら、収入がなくなり生活していくことができなくなってしまいます。
そのような起きる確率は低くても、起きた場合に損失が大きいものは保険の正しい入り方でもあり、生命保険もこれに該当してきます。
周りや親のためにお金を残したい場合
自分になにかあったときに生活できなくなる人はいなくても、親や周りの人のために少しでもお金を残したいと考える人もいるかもしれません。
もちろん、そのような考えは決して悪いことではありませんが、無駄な保険には入らずにお金を貯めたいと考えている方には、そういった目的で保険に入ることはお金を貯めることから遠ざかってしまいます。
保険に入るということは、保証を受けるために毎月お金を払うということです。もし親のためにお金を残したいと考えるなら、保険に入らずにその分のお金で親にプレゼントをしたり、食事に行ったりといったことが親孝行になることもあります。
低確率のものに毎月高いお金を支払うのではなく、貯金に回したり友人や家族との時間にお金を使ったりすることのほうが、人生を豊かにすることもあるのです。
どんな生命保険に入ればいいのか
最後に生命保険が必要な人は、どのような保険に入れば良いのかを解説します。
生命保険が必要な方は、「自分が亡くなったときに生活できなくなる人がいる場合」になりますが、そのような人が入るべき保険は「掛け捨て型の生命保険」になります。
掛け捨て型の生命保険なら、月額2000円〜3000円程の保険料で2000万円の死亡保証がつくようなものもあります。
遺族年金なども考慮すれば、それなりの保証額になるので掛け捨て型の生命保険で、十分備えることができます。
ただし、自分が一家の大黒柱でも遺族年金や貯金で生活できる人には不要です。
掛け捨て型の保険でも、これくらいの保険料であれば支出を最低限に減らすことができ、その他の分を貯金や投資に回すことも可能になるのです。
生命保険は、起きる確率が低くて起きたときに大損失を生む可能性のあるものですが、積み立て型の保険などではなく掛け捨て型の最低限の保険料で、備えることができます。
まとめ
今回は生命保険について解説してきました。
保険は不安だから入っておくものではなく、本来の目的と正しい入り方を理解しておくことで無駄な保険に入って支出が増えてしまうといったことを防ぐことができます。
生命保険は全ての人に必要なものではなく、「自分が亡くなったときに生活できなくなる人がいる場合」に必要な可能性があります。
生命保険にも、掛け捨て型と積み立て型のものがありますが、掛け捨て型の保険で十分リスクに備えることができます。
貯金の代わりにと、積み立て型の保険に加入してしまう人もいますが貯金であれば銀行のほうが、リスクが少なく、お金を増やすという面でも他に良い投資商品はたくさんあります。
保険と投資を一緒に考えてはいけないので、そこは注意が必要です。
生命保険の必要性やどんな保険が良いか悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。