サラリーマンでも出来る!具体的な節税方法を4つ解説

サラリーマンのみなさんは「節税」について考えたことはありますか?通常、サラリーマンの税金計算は、会社が代行して行ってくれるため、特に気にする必要はありません。また、節税や税金対策は事業者やフリーランスにしか関係ないと思っている方も多いと思います。

しかし、サラリーマンでも確定申告を行うことで、払いすぎていた税金が戻ってくることがあります。また、確定申告をせずとも手続きをすることで支払う税金の額を少なくすることもできます。このように、サラリーマンでも十分に効果を発揮できる節税方法というものはいくつも存在するのです。

今回の記事では、節税の仕組みと、サラリーマンでも実践可能な4つの節税方法についてお伝えしていきます。節税について理解し、手元に残るお金を少しでも増やしたいという方はぜひご参考ください。

サラリーマンの節税対策!「控除」で節税できる仕組みは?

節税の仕組みは、「控除を活用して課税所得額を下げ、納税額を下げる」です。そもそも、節税で減らすことのできる税金はおもに所得税と住民税であり、これらは課税所得額によって増減します。つまり、課税所得額を減らすことが、所得税や住民税の納税額を減らすということにつながるわけです。その他にも、課税所得額から計算された納税額から、直接税額を減らすことができる仕組みも存在します。例えば、「住宅ローン控除」などが該当します。

さて、課税所得額を減らすと節税につながることがわかりました。課税所得額の計算方法は、年収−控除です。ということは、課税所得額を減らすには「年収を減らす」か「控除を増やす」しかありません。年収を減らしてしまっては元も子もないので、「控除を増やす」ことが節税のカギとなります。

控除とは、一定の金額を差し引くという意味の言葉で、大きく分けると「給与所得控除」、「所得控除」、「税額控除」の3種類に分けられます。

給与所得控除とは?

「給与所得控除」は、サラリーマンなどの給与所得者に適用される控除です。年収に応じて一律に定められており、サラリーマンの場合は会社が代行して計算してくれます。そのため、サラリーマンがコントロールできる税金ではありません。

また、年収から給与所得控除を引いたものが所得金額となります。

所得控除とは?

「所得控除」は、個人事情により適用される控除です。収入がない(少ない)親族を養っている人には「扶養者控除」、ひとり親で子育てをしている人には「ひとり親控除」などが適用されます。サラリーマンであれば、会社に申告書を提出することで、年末調整で控除が受けられます。個人により変動するため、理解しておくと節税効果が期待できる控除です。

また、給与所得から所得控除を引いたものが課税所得額となります。

税額控除とは?

「税額控除」は、課税所得額に税率をかけて計算された税額から直接差し引くことができる控除です。ローンで住宅を購入したときの「住宅ローン控除」や、自然災害で住宅や自動車が損害を受けたときの「雑損控除」がこれにあたります。税額から直接差し引かれる控除のため節税効果は大きいのです。この控除の存在を知らないばかりに、払わなくて済む税金を支払ってしまっている人も少なくないため、しっかりと把握しておきたいところです。

サラリーマンは「控除」で節税!具体的な4つの控除を紹介

サラリーマンの節税には、所得控除と税額控除をうまく活用することが必要とわかりました。ここからは、実践的な4つの方法について紹介していきます。

ふるさと納税(寄付金控除)

ふるさと納税は、全国各地の自治体から好きな納付先を選んで寄付をすることで、返礼品がもらえ、さらに控除を受けることができる制度です。寄付した金額のうち、2000円を超える部分が翌年に支払う税金から控除されます。(所得控除と税額控除の掛け合わせで控除される)

例えば、ある自治体にふるさと納税を用いて4万円の寄付をしたとします。すると、翌年の納税額から3万8000円分が差し引かれます。簡単に言うと、3万8000円分の税金の先払いをしたというイメージです。4万円支払って、税金が3万8000円減るということは、2000円の損と思われるかもしれません。しかし、寄付をすることで返礼品がもらえるというところがメリットなのです。

返礼品の相場は、寄付金額の3割程度となっています。つまり、4万円の寄付をした場合、2000円の自己負担で1万2000円相当の返礼品がもらえるということになります。ちなみに返礼品は様々で、お米やお肉、お魚などの食品からパソコン、カメラなどのガジェット類まで多岐に渡ります。

控除を受ける方法は、「さとふる」や「ふるさとチョイス」などのふるさと納税専用サイトや、楽天市場などからお気に入りの自治体や返礼品を見つけて購入するだけです。

注意点としては、年収や家族構成により上限金額が決まっていること、確定申告が必要なことです。上限額に関しては「ふるさと納税 上限」で検索すると自動計算可能なシミュレーターが出てくるので、それらを使用しましょう。もちろん無料です。また、1年間のふるさと納税納付先が5市町村までであれば、「ワンストップ制度」という制度を用いることで、確定申告をすることなく控除が受けられます。

住宅ローン控除

住宅ローン控除は、10年以上の住宅ローンを使って住宅の購入等をした場合に所得税が控除される制度です。戸建て、マンション、新築、中古いずれも対象となります。所得税から直接控除される「税額控除」に分類されるため節税効果は大きいと言えます。

具体的な計算方法は「住宅ローンの年末残高×1%=控除額(上限40万円)」となります。例えば、住宅ローンの年末残高が3000万円の場合、30万円が所得税から直接控除されます。所得税額が30万円未満で引ききれない場合は、そのぶん住民税から控除されます。

控除を受ける方法ですが、初年度は確定申告が必要です。しかし、2年目からは、残高証明書を会社に提出すると年末調整で控除可能となります。最大控除額は10年間で400万円(1年で40万円)ですが、いつ入居したかによって控除される額は異なります。

扶養者控除

扶養者控除は、子供や親、親族を養っている場合に受けられる制度です。扶養控除の計算方法は、控除の対象となる扶養親族の年齢によって異なり、親族1人につき38万円から63万円となっています。

適用要件としては、①16歳以上の配偶者以外の親族であること、②生計を一にしていること、③年間の合計所得金額が48万円以下であること、④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと、または、白色申告者の事業専従者でないことがあげられます。

具体的には、19歳の子供が大学に進学し1人暮らしをするため仕送りなどで出費がかさむ場合には、63万円の控除が受けられます。しかし、大学に通う子どものアルバイト収入が103万円を超えて130万円以下の場合には、扶養控除が適用されなくなるので注意が必要です。

方法は、サラリーマンであれば会社に扶養控除等申告書を提出し年末調整で控除を受けます。ただし、給与総額が2,000万円以上の人や2カ所以上から給与を受けている人などは、年末調整の対象とはなりませんので確定申告が必要となります。

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除とは、確定拠出年金の掛金を支払っている場合に適用できる控除で、掛金の全額が控除されます。特におすすめなのが、iDeCo(個人型確定拠出年金)。iDeCoは自分で積み立てられる私的年金の制度のことです。

iDeCoを使って老後のために積立をすると、毎月の掛金を支払うようになります。その掛金が所得控除の対象となりますので、その年の所得税と翌年の住民税が安くなります。さらにiDeCoでは、運用益が非課税というメリットもあります。。

注意点としては、iDeCoは資金拘束があり、原則として60歳まではお金が引き出せないので気を付ける必要があります。生活資金を確保した上で余剰資金を積立に回すといったイメージで活用するのがよいでしょう。

まとめ

今回の記事では、節税の仕組みとサラリーマンでも実践可能な4つの節税方法についてお伝えしました。節税の仕組みは、控除を活用し、課税所得額や税額を減らすことです。

具体的な節税方法としては「ふるさと納税」、「住宅ローン控除」、「扶養者控除」、「小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)」をご紹介しました。中でもふるさと納税、iDeCoは今すぐにでも実践できる節税方法ですのでぜひ実践してみてください。

サラリーマンでも「所得控除」と「税額控除」をうまく活用することで、節税ができ手元に残るお金を増やすことができます。ぜひ本記事を参考にして、大切な資産を守っていきましょう。