住宅ローンの見直し方法とメリットデメリットを細かく解説!

2021年7月28日

マイホームを手に入れて終わりというわけではなく、住宅ローンを長い期間をかけて返済していかなくてはなりません。

返済期間は、20年や35年と人によって違いますが、その間にライフスタイルや金利も大きく変わっていきます。

当初借りていた住宅ローンを見直すことで、総額の返済額を大きく減らすことができる人も多いです。

そこで今回は、住宅ローンの見直しに関して、細かく解説していきますので、見直すきっかけにして頂ければと思います。

住宅ローンの金利の種類

まず、住宅ローンを借りる際に、不動産会社から金利について説明を受けたと思います。

しかし、契約する際には新たに覚えることが多く、全部をしっかり覚えている人は少ないのではないでしょうか。

改めて、3種類の金利に関して解説していきます。

ご自分が今入っている金利プランと照らし合わせて、ぜひ確認してみてください。

変動金利

変動金利とは、金利情勢によって、1年に2回金利が見直されるプランのことです。

通常、他の金利プランより金利が低く設定されていますので、一番お得なプランと言えます。

実際、低金利の状態が続いていれば、一番金利が低いので、総額の返済額を抑えることができます。

しかし、情勢によって、金利が上がった際に、そのまま返済金額も上がりますので、リスクがあるプランでもあります。

また、返済額の変更は、5年ごとと決まっているのと、1.25倍までしか返済額を増やせないという決まりになっています。

その為、変動により金利が上がると、利息分の割合が多くってしまい、元金をなかなか減らせなくなるという状況になってしまいます。

また、変動によって金利が上がることを想定せずに、借入額を変動金利で上限ギリギリまで借りてしまうと、金利が上がった時に、返済が厳しくなってしまうという恐れがあります。

つまり、変動金利は、金利が上昇した際に、繰り上げ返済できる現金が手元にある人や、借入額が少ない人、返済期間が短い人に向いている金利プランだと言えます。

固定金利

固定金利とは、2年5年10年など自分が選んだ期間は、金利が固定されるプランのことです。

固定期間が終了した後は、変動金利に変更することもできますし、固定金利を選択し続けることもできます。

通常、変動金利より金利が高くなりますが、金利が固定されるので、一定期間は、情勢により金利が上がるリスクがなくライフプランが立てやすくなります

しかし、期間中は金利が上がるリスクありませんが、情勢により金利が下がった場合に、恩恵を受けることができません。

また、固定期間が終了した際に、情勢により金利が大幅に増える可能性もありますので、そちらのリスクは考えておかないといけません。

固定金利は、借入時が低金利であった場合、その低金利の恩恵を一定期間確保し、リスクを変動金利より少し抑えたいという人に向いている金利プランだと思います。

全期間固定金利 フラット35

全期間固定金利と聞くと聞きなれない言葉かもしれませんが、フラット35という言葉を聞いたことはあるかもしれません。

全期間固定金利の代表例が、住宅金融支援機構がおこなっているフラット35で、借入から完済するまでの金利が固定されるプランになります。

全期間金利が一定なので、返済計画を立てやすく、金利が上昇することもないので、安心感もあります。

ただし、変動金利より金利が高いということと、情勢により金利が下がっても、一切恩恵は受けられないというデメリットはあります。

全期間固定金利は、返済計画を立てて、将来の金利上昇によるリスクをなくし、安心感を得たい人に向いている金利プランだと思います。

住宅ローンの見直し方法

借り換え

借り換えとは現在借りている金利より低い金利に借り換えることで、返済額を減らすことです。

一般的に、住宅ローンの残高が1,000万円以上あり、返済期間も10年以上あれば、借り換えによって、返済額を減らす可能性があります。

現在借り入れている大手銀行の変動金利から、より低金利のネット銀行の変動金利に借り換える方法などがあります。

繰り上げ返済

繰り上げ返済には、期間短縮型と返済額軽減型の2種類あり、どちらも総返済額を減らすことができます。

期間短縮型は、繰り上げした返済した分の元金が減って、返済期間が短くなることです。毎月の返済金額は変わりませんが、返済期間が短くなるので、返済額軽減型より利息軽減の効果は大きくなります

返済額軽減型は、繰り上げ返済した分、毎月の返済額が減りますが、返済期間はそのままです。利息軽減を優先させるより、毎月の家計を安定させたいと考えてる人に向いていると思います。

繰り上げ返済の注意点として、住宅ローンの特別控除期間中での繰り上げ返済です。

住宅ローン特別控除は、10年から15年と期間が定まっており、借り入れた年によって、期間や控除額が変わってきます。

例として、借入残高3,000万円×1.0パーセント=30万円

上の例ですと、1年間で30万円の控除が受けられます。

年間30万円の控除が受けられる期間に、繰り上げ返済することによって、借入残高を減らした結果、控除額が少なくなり、損する場合もあります。

自分が該当している、控除の条件を確認し、支払っている利息分を計算してから、繰り上げ返済をしてみてください。

特別控除期間の間は、繰り上げ返済をせずに貯金をしておいて、期間が終了してから一気に繰り上げ返済した方が、お得になる場合もあります。

金利プランの変更

変動金利から固定金利に変更する場合や、固定金利から変動金利にプランを変更します。

低金利が続いているうちに、今後のライフプランを考えて、金利プランを見直してみることも大切です。

金利プランの変更は、変動金利から固定金利に変更することは、いつでも可能です。

しかし、固定金利から変動金利に変更することは、固定期間が終了時にしか対応できない金融機関が多いです。

見直しの時期を見過ごさないようにしてください。

借り換え方法

借り換え先を選ぶポイント

選ぶポイントは、金利のタイプと金利の低さをまず確認してください。

次に、団体信用保険の内容の充実さです。保険の中身は、金融機関によって違いますので、必ず確認してください。

最後に、金融機関で独自におこなっている得点やサービスです。

借り換え手順

借り換える際には、必要書類が多いので、スムーズに借り換えるためにも、事前に準備しておくといいでしょう。

必要になってくる書類

・ローン借入申込書・源泉徴収書・住民票・売買契約書・重要事項声明書・平面図などの設計図面・間取り図・融資残高証明書・返済予定明細書・登記簿謄本・通帳のコピー

また、借り換えの手順として、現在、住宅ローンを借りている金融機関に、一括返済を申し込み、新たに住宅ローンを組む金融機関に申し込む流れになります。

その後は、司法書士が登記などの手続きをおこなって、完了となります。

借り換えシミュレーション

借り換えることで、いくら総返済額を減らすことができるのかをシミュレーションできます。

ネットでも手軽にできますし、金融機関でも無料でおこなってくれます。

見直した際のメリットデメリット

メリット

すべての見直しで共通するのは、総返済額の軽減です。

しかし、それ以外のメリットもあります。

借り換えのメリットとしては、金利を低く設定することができることが、一番の大きなメリットになりますが、借り換え先に付随してくる特典を新たに受けることができるということも忘れてはいけません。

それぞれの金融機関によって、内容はバラバラですが、団体信用保険に介護特約や3大疾病特約、ガン特約などを無料で付けられるものもあります。

住宅ローンの借入先を変更するだけで、無料で保険をつけられることにより、その分不要な保険料を減らすこともできます。

また、グループ会社での買い物やサービスの割引を受けられる特典を用意している金融機関もあります。

その他にも、繰り上げ返済する際の手数料や諸費用を軽減できたりと、金融機関ごとに内容が違うので、ぜひ確認して自分にあった金融機関を選んでみてください。

デメリット

借り換えをおこなうことで、総返済額を減らすことが可能になりますが、借り換え時には、諸費用がかかります。

金利の低さだけを見て考えてしまいがちですが、諸費用を計算しておかないと、思わぬ出費に痛い思いをすることになってしまいます。

諸費用は返済額や返済期間、金融機関によって金額は違いますが、約50万円から100万ほどかかることも珍しくありません。

借り換え時の諸費用の内容は、「事務手数料」「保証料」「全額繰り上げ返済手数料」「印紙税」「登録免許税」「司法書士への報酬代金」などがあります。

事務手数料は、10万から30万程度かかり、保証料は、大手銀行はかかりますが、ネット銀行は無料な所もあるなど、金融機関によって差がでてきます。

借り換える際に、軽減される利息分と諸費用を比べてみてマイナスにならないように気をつけてください。

また、繰り上げ返済に関しては、手元の現金が少なくなります。

その結果、万が一の事故や病気、教育資金が想定より多くかかってしまった場合などに対応できなくなってしまうリスクが出てきます。

住宅ローンは、カーローンや教育ローンより金利が安く設定されています。

住宅ローンを繰り上げ返済したことにより、現金がなくなり、その他のことで高金利のローンを組むと逆に損をする場合もあります。

繰り上げ返済する際には、今後のライフプランをよく考えて、ある程度の現金は手元に残しておく方が良いでしょう。

まとめ

住宅ローンの見直しについて、解説してきましたが、自分のライフプランにあった借り換えや繰り上げ返済をおこない、効果的な返済計画を立てて頂ければと思います。

住宅ローンの見直しとなると、調べないといけないことが多く、面倒に感じる方も多いかもしれませんが、上記で解説した通り、そこまで難しくありません。

見直すことによって、大幅に総返済額を減らし、その分ゆとりある生活を手に入れられるかもしれないのですから、ぜひ試してみてください。