サラリーマンだけでの節税は限界?節税には個人事業がおすすめの理由

2021年7月28日

近年は節税意識が高まっており、巷には節税に関する様々な情報が溢れています。また、新型コロナウィルスの影響で国の財政状況が悪化し将来的な増税が予想されていることから、今後ますます節税の重要性は増していくでしょう。

しかし、いざ節税を実践しようとしても、税制上サラリーマンには節税の手段が限られているので、恩恵を受けることができないのが実情です。先述した増税リスクに加えて、今後少子高齢化が進んでいく日本では社会保険料の負担が重くなっていくのは目に見えているため、少しでも手取り収入を増やすためにも節税を実行するのは非常に重要となります。

そこで着目するべきは個人事業の開始であり、個人事業に関する税制をしっかりと知っておくことで手取り収入を増やすことが可能です。近年は働き方の多様化が進みつつあり、みずほフィナンシャルグループをはじめとして副業を解禁する企業も増えているため、コツコツとスキルを高める意識はこれまで以上に大切と言えます。

以前とは違って今後は副業をすることがスタンダードになっていくと考えられるので、個人事業の税制やおすすめの個人事業について学び、無駄な税金を払わない意識を持っていきましょう。

サラリーマンの節税ではすぐに限界がくる

残念ながら、サラリーマンが行うことのできる節税には限界があります。サラリーマンは毎月給与から社会保険料や税金が源泉徴収され、年末調整で最終的な納税額を決定します。毎年10月くらいに年休調整は行われるので「あぁ、保険料とか申告する手続きのことね」とピンとくる方も多いでしょう。

しかし、納税額が調整されるとはいえ、サラリーマンが意図的に節税して税金をコントロールできるのは生命保険料控除・地震保険料控除・iDeCoくらいのもので、さほど節税効果も大きくないのが現実です。なお、サラリーマンの経費として給与所得控除という仕組みがありますが、これはあくまで「みなし」なので実態を反映していません。

つまり、サラリーマンは税金を自分でコントロールすることができず、節税には自ずと限界があるのです。

個人事業がサラリーマンの節税になる理由

サラリーマンの節税には限界がある一方で、個人事業の場合は様々な節税手法があります。

続いて、個人事業の節税パターンを見てみましょう。

経費を使うことが出来る

個人事業主の方と食事をしたことがある方は、会計の際に「領収書ください」と言っているシーンを見たことがありませんか?これはまさしく接待費として経費に計上していることに他ならず、つまり個人事業を営んでいる方は経費を使うことができるのです。自分の行っている業務に関連する出費であれば経費に計上することができるので、サラリーマンよりも節税の幅が広いことが分かるでしょう。

なお、個人事業主が納めるべき税金は「収入−経費=所得」というベースを算出した後に、所得に対して税金がかかります。つまり、個人事業主は経費を活用することで税金をコントロールすることができるので、節税の余地が広いのです。

損益通算で所得を圧縮できる

事業所得で赤字が発生した場合、他の所得と合算して節税することができます。これを損益通算と呼びますが、損益通算を行うためには確定申告をしなければなりません。

一般的なサラリーマンの方で確定申告をするケースは多くないため、これらの諸手続きを面倒と感じる方は多いでしょうが、しっかりと手取りを増やすためにも頑張りましょう。

それでは、例えば給与所得が500万円、事業所得で赤字が200万円発生したケースで考えてみましょう。

通常であれば、給与所得である500万円を計算のベースとして所得税と住民税が課せられて終了となりますが、損益通算をすることによって所得を圧縮することができます。「500万円-200万円=300万円」となり、300万円を計算のベースとして税金がかかることになるため、大きな節税効果が期待できることが分かるでしょう。

青色申告特別控除の存在

また、税務署に必要書類を提出することによって「青色申告特別控除」を受けることができます。こちらも一般的なサラリーマンの方には耳馴染みが無い言葉でしょう。しかし、青色申告特別控除の節税効果は非常に高く、最大で65万円を収入から控除することが可能となっており、この節税効果は非常に大きいのです。

青色申告特別控除は個人事業主全員が受けられるるわけではなく、以下の条件を全てクリアしなければなりません。

“①不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。

②所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。

③記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。

④所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。

⑤記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、この控除の適用を受ける金額を記載して、法定申告期限内に提出すること。“ (国税庁公式サイトより引用)

読んだだけでは訳がわからない方も多いと思いますが、実際に行ってみるとそこまで難しくはないので、安心してください。一般的な会計ソフトは複式簿記に対応しており、またe-TAXという電子申告も難しくありません。

この青色申告特別控除を利用することで「(65万円+経費)×税率」が節税できる上に家族への給与を経費計上できたり、赤字を3年間繰り越せたりするメリットもあるため、事業を開始した方は「利用しない手は無い」レベルのお得な制度です。

おすすめの個人事業

続いて、おすすめの個人事業を紹介していきます。自分の得意分野を見つけて、ぜひ実践してみてください。

Webライター

Webライターは副業で人気のある仕事です。

近年は副業を解禁する動きが広がっていることから、クラウドワークスやランサーズといったソーシャルワーキングサービスも発達しています。これらのサービスを利用することで簡単に自分の得意分野を活かせるライティング業務を見つけることが可能です。

例えば、アニメが好きな方はアニメを見た感想や見たことが無い人向けの記事を書くことや、多くの資格を取得している方であればこれから勉強をする人向けのライティング業務があります。

自分の得意分野について文章化するのは楽しい業務でもあるので、長続きしやすい点も魅力と言えるでしょう。

エンジニア

4月の日経新聞に「IT系派遣社員の募集時平均時給が過去最高の2261円となった」旨の記事が掲載されました。この記事は「現在のトレンドはITやプログラミングである」ことを示していることに他なりません。

エンジニアの高い技術力を求めている企業は非常に多く、実際に個人事業主として多くの企業案件を請け負っているエンジニアは多く存在します。単価が高く稼ぎやすい仕事である上に、サラリーマンは実務を通じてスキルを高めることができる強みがあるため、ぜひ積極的にエンジニアとしての知見を高めていきましょう。

今後もエンジニアの需要は高いと予測されるので、早い内からエンジニアの仕事に着手するのは非常に良い選択肢です。

ブログ・アフィリエイト

ブログやアフィリエイトも人気のある副業・個人事業です。

これらの魅力は「初期費用が安く、気軽に始めることができる」点で、誰にでも大きく稼ぐチャンスがあります。無料で始めることができるブログ運営サイトもあるため、文章を書くのが好きな方はトライする価値はあるでしょう。

ブログやアフィリエイトで特に意識するべき点は「毎日コツコツ継続すること」「市場が求めているニーズを把握し、必要な情報を提供すること」です。信頼性が高く価値のある情報を多く発信できる人のブログには自然と人が集まり、PVも増えていきます。

例えば、株式投資に興味があるけどなかなか始められずに悩んでいる方の背中を押してあげるような「金融ブログ」や、就職活動や転職活動で悩んでいる方を応援する「就活コンサルブログ」などは市場のニーズが高いでしょう。もちろん、自分自身も勉強を重ねて時事に敏感になっておくなどの日々の努力は欠かせませんが、継続することで発信力が高まり信頼できるコミュニティも作ることができるメリットがあります。

「やりたいことを仕事にできる」魅力的な選択肢なので、ぜひ検討してみてください。

まとめ

今回の記事では、サラリーマンの節税の限界や個人事業の有利性についてお伝えしてきました。

今後税負担が増えていくことが予想されていることから、手取り収入を増やすためにも個人事業を開始する選択肢は非常に魅力的と言えるでしょう。幸いなことに、働き方の多様化が進み個人事業を開始するハードルも低くなっていることから、ぜひこちらの記事で紹介した青色申告などの方法を活用してください。