株式投資の銘柄選びはどうする?初心者におすすめの方法を解説

2021年7月28日

投資初心者の大きな悩みの一つに「投資すべき銘柄が分からない」というものがあります。たしかに、国内株式だけでも4,000近くの銘柄があるため、その中から投資に値する銘柄を選定するのは、骨が折れる作業と言えるでしょう。

そこで、この記事では投資初心者が株式投資を始めるにあたり、選ぶべき銘柄をお伝えしたいと思います。初期の失敗は後々に大きく響く可能性があります。「右も左も分からない状態で投資を始めたら、いつの間にか損をしてた!」という事態は避けたいですよね?

本記事を一読いただければ、具体的にどのような銘柄を選べばよいかが分かります。ぜひ、投資初心者の方はご参考下さい。

株式投資の利益は何がある?【キャピタルゲインとインカムゲイン】

初心者におすすめの株式銘柄をお伝えする前に、株式投資における利益の仕組みをお伝えする必要があります。投資の利益には、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があるので、知らない方のために簡単にご説明したいと思います。「もう知ってるよ!」という方は、読み飛ばしていただいてもOKです。

インカムゲイン

インカムゲインは、株式を保有し続けることで得られる利益のことです。株式投資における具体例としては、「株主優待」や「配当金」が有名だと思います。また、株式投資以外の例としては、不動産投資における家賃収入もインカムゲインに分類される利益です。

キャピタルゲイン

キャピタルゲインは、株式を売り買いすることで得られる利益をことです。株取引といえば「安く買って、高く売る」イメージが強いと思いますが、まさにこの利益を指します。

キャピタルゲインを狙いたいのであれば、「グロース株投資」または「バリュー株投資」が最適です。いずれも、今後の株価の上昇に期待して株式を購入し、予想通りに上昇したら売却することで、利益を得る投資手法になります。こちらの記事で詳しく解説しているので、興味がある方はぜひご参考下さい。(→投資スタイル記事へリンク)

投資初心者にキャピタルゲインは危険?!

キャピタルゲインで儲けるためには、「今後上昇する銘柄を選ぶ」ことが絶対条件になります。 もし、ピタリと銘柄を当てることができれば、インカムゲインと比べて大きな利益を得ることができる可能性があります。

しかし、投資経験や金融知識に乏しい初心者にとって、的確な銘柄選定ほど難しいことはありません。投資の世界で何十年も経験を積んできたプロでさえ、銘柄選定は難しいのに、初心者に上昇銘柄を予想することができるでしょうか?万一、上昇銘柄を当てられたとしても、ビギナーズラックはそう長く続きません。それほど、継続的にキャピタルゲインを得続けるのは困難なことなのです。

では、投資初心者はどのような銘柄を選べばよいのでしょうか?

投資初心者はインカムゲインを狙おう

キャピタルゲインを狙うことが難しいのであれば、残すは一つしかありません、そう、「インカムゲイン」狙いの投資をすればよいのです。つまり、株価の上昇に期待して株式を購入するのではなく、最初から「株主優待」や「配当金」狙いの投資戦略を実践するのです。

キャピタルゲイン狙いの場合、銘柄選定も難しいですが、出口戦略といって株式を売却するタイミングも非常にシビアです。売却のタイミングが少し遅れるだけで、多額の損失が出てしまうことも稀ではないからです。

その点、インカムゲインの場合、ホールド(株式を保有し続けること)が基本戦略になります。よって売却のタイミングを図る必要はなく、株価チャートに張り付く必要もありません。単純に株式を購入して保有しているだけで、利益が懐に入ってきますから、時間や手間いらずの投資が可能になります。

投資初心者の多くは、日中は仕事をしながらの副業投資家がほとんどだと思います。仕事やプライベートの時間を考慮すると、株式投資にかけられる時間も限られていることが多いのです。そのため、手間いらずのインカムゲイン投資こそ、初心者におすすめのの投資スタイルと言えるのです。

インカムゲインの具体例

ここでは株式投資におけるインカムゲインとして有名な、「株主優待」と「配当金」についてお伝えしたいと思います。

株主優待とは?

株主優待は、株式を保有する投資家に対して、その企業のサービスクーポン券や商品をプレゼントするシステムです。企業によっては、QUOカードや白米などの商品の中から、投資家が好きなものを選べるタイプもあります。自社サービスとは関係のない優待をプレゼントすることもあります。

株主優待は、すべての銘柄に付属しているわけではありません。上場企業の銘柄のうち、約4割ほどしか優待制度を取り扱ってないので、注意が必要です。また、優待の内容も適宜変更されるため、「株式を購入したときには、欲しい商品がなくなっていた」というケースもありえます。

配当金とは?

配当金は、企業が利益の一部を「お金」という形で株主へ還元するシステムです。明確なルールはありませんが、一般的には年に1〜2回の頻度で配当金を受け取ることができます。配当金を出す企業としては、成熟しきった「老舗企業」が多い特徴があります。成長途中にある企業の場合、利益が出ても自社の拡充費用に補填してしまうので、配当金は出さないことが多いのです。

また、配当金に関する注意点としては、配当金額や利回りが毎回一定ではない点があります。会社の業績が悪化すれば、当然、配当金も減額される可能性があるので、注意してください。

投資初心者がインカムゲインを狙うときのポイント

始める前に許容範囲を決めよう

インカムゲイン狙いの銘柄の場合、その株価は比較的安定していることが多いのですが、時には株価が暴落したり、業績の低迷に伴って配当利回りが激減したりすることもあるでしょう。

そのような場合を想定して、「リスク許容度」を把握しておくことが重要です。リスク許容度とは、利益がマイナスになってしまった場合に、いくらまでならマイナスを許容できるか、という度合いを表すものです。大きなリターンを期待するならば、当然リスクも大きくなり、損をする可能性が高まるのが投資というものです。

リスク許容度は、個人個人によって様々です。一般的には、年齢が若く、資産が潤沢で、強気な性格の人ほど、リスク許容度は高い傾向にあります。インカムゲイン狙いの投資であっても、必ず投資を始める前に自身のリスク許容度を確認することをおすすめします。

長期保有を前提にしよう

インカムゲイン狙いで投資をする場合、長期的な目線で運用することが重要です。キャピタルゲインとは違い、株価の推移も安定している銘柄が多く、短期で売買しても利益は得られません。むしろ、手数料が必要な分、損をする可能性すらあります。

もう一つ、長期で保有するメリットが、「株主優待のアップグレードシステム」にあります。最近では、株式の保有年数が長いほど、株主優待の内容がグレードアップしてくれる企業も増えています。

例えば、家電量販店大手の「ビックカメラ」の場合、100株以上500株未満の保有で、2月と8月にそれぞれ2,000円と1,000円のクーポン券が配布されます。さらに、株の保有年数が2年以上の場合、追加で2,000円クーポン券ももらうことができるのです。

インカムゲイン狙いの場合は、「長期保有が前提」ということを覚えていて下さい。裏を返せば、ずっと保有し続けられるような銘柄を選ぶことが大切とも言えます。

高配当ランキングは当てにするな

ネット証券などには、必ずと言っていいほど「高配当ランキング」が存在します。高配当ランキングは、配当金額や利回りの高い順に銘柄を選択できるため一見便利そうですが、実は大きな落とし穴があります。

それは、「株価が下落したことによる見せかけの高配当株」です。配当金額が同じ10円でも、株価が1000円のときは配当利回り1%となり、株価が500円のときは配当利回り2%になります。

つまり、配当金額自体は変化しなくても、配当利回りは上下する場合が多々あるのです。見せかけの高配当株に騙されないようにご注意ください。

まとめ

今回の記事では、初心者におすすめの銘柄選定として「インカムゲイン投資」をお伝えしました。インカムゲインの代表例には配当株と株主優待があり、両者ともに株の長期保有を前提とした投資手法でした。

インカムゲイン投資では、頻繁な株価チェックや株の売買は必要ありません。最初の銘柄選定さえ大きく間違えなければ、比較的安定した利益を享受することができるので、投資初心者にもおすすめの投資スタイルと言えます。

投資手法や銘柄選定でお迷いの初心者の方は、インカムゲイン投資で投資を始めてはいかがでしょうか。