インデックス投資が初心者におすすめな4つの理由【長期資産運用に最適】

2021年4月25日

「インデックス」とは、経済状況や景気の動向など「市場全体の動きを示す株価指標」、という意味の金融用語です。つまり、「その市場全体の値動きを表す数値」と言いかえることもできます。代表的なインデックスには、日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)、NYダウなどがありますが、みなさんも一度はニュースで聞いたことがあるワードだと思います。

「インデックス投資」は、この「インデックス」に連動した運用成果を目標にする投資手法のことです。これに対して、インデックスより高い運用成績を目標とする投資手法を「アクティブ運用」と言い、リスクを取って、より大きなリターンを狙う手法になります。

インデックス投資は、投資・金融知識の乏しい初心者でも簡単に始めることができ、しかも、プロ投資家と大差ない運用成績を修められる特徴があります。そのため、数ある投資手法のなかでも「初心者におすすめ」できる投資の代表な例のです。

また、インデックス投資は「長期の資産形成」を前提にした投資でもあります。「人生100年時代」「老後二千万問題」などのワードが飛び交う現代においては、個人レベルでの資産形成も考えなくてはいけない時代になりました。そのため、インデックス投資は現代における投資の最適解かもしれません。

投資初心者の方は、ぜひインデックス投資から投資人生をスタートさせましょう。少しでも資産が増えれば、経済的にも心理的にも、きっと今より豊かになれるはずです。初心者でも分かりやすいよう、なるべく専門用語を使わず解説しているので、ぜひ参考にしてください。

インデックス投資とは?

インデックス投資は、「インデックス(=市場全体の値動きを示す指標)」に連動するような金融商品を購入して、利益を上げる投資手法のことです。

国内・海外には数え切れないほどのインデックスが存在します。インデックス投資では、その中から「これは成長性が見込める!」と思った指標を選んで投資をするのです。例えば、「今後は中国のITが成長する時代だ!」と思えば、中国のIT市場を示すインデックスを探し、それに連動する金融商品を買い付ければよいのです。予想通り中国のIT市場が10%上昇したら、自分の資産も1.1倍に増えるということです。

インデックス投資の商品の種類

「インデックスに連動する金融商品」というワードが出てきましたが、具体的にはどのような商品があるのでしょうか。

代表的な商品には、「投資信託」と「ETF(上場投資信託)の2種類があります。

「投資信託」とは、別名「ファンド」とも呼ばれ、たくさんの投資家から集金した資金も元手に、プロの投資家が株式・債券などの売買をおこなう商品のことです。そして、それを運用して得られた利益を、投資額に応じて個人投資家に配分するのです。

集金した資金で「何を買うか」「どのように運用するか」は、それぞれの運用方針に基づいてプロの投資家が判断します。インデックス商品の場合は、「対象とするインデックスに連動させる」という運用方針のもと、株式や債権の売り買いをおこないます。

「ETF」も投資信託と似たような金融商品です。「上場」というワードからお察しのとおり、投資信託との一番の違いは「証券取引所に上場している」ことです。取引所を介して売買をおこなうことで、リアルタイムで値動きしたり、指値注文ができたりなどの特徴がありますが、詳細は割愛します。ここでは、「上場している投資信託」とだけ覚えてください。

インデックス投資のメリット

インデックスに連動するシステムは、投資家の中でも、特に初心者に大きなメリットをもたらします。ここでは、インデックス投資の代表的な4つのメリットを紹介したいと思います。

運用コストが安い

記事の冒頭で「アクティブ運用」というワードが出てきたのを覚えているでしょうか。アクティブ運用は、インデックスを上回る運用を目指すため、株式や債券の売買を頻繁におこなったり、入念な下調べを要したりと、運用コストがかかりやすい特徴があります。

一方、インデックス投資は、ベンチマーク(目標にしているインデックス)に連動するだけでよいので、機械的な運用も可能であり、安いコストで運用できます。インデックス投資は長期的に運用するケースも多いので、運用コストは少しでも安いほうがよいのです。

また、株式の売買には買付手数料がかかるのが当たり前でしたね。投資信託の場合も、種類によっては手数料が必要な商品もありますが、インデックス商品の多くは買付手数料0円の、「ノーロード」と呼ばれる商品が多い特徴があります。

知識がなくても分かりやすい

「運用コスト」の章でもお伝えしましたが、インデックス投資を実際に運用しているのは「ファンド会社のプロ投資家」です。みなさんは資金を提供するだけで、あとの作業はすべて他人任せに出来るのです。

また、基準価格(投資信託の時価額のこと)も対象とする指数に連動するだけなので、値動きの把握もしやすい特徴があります。代表的な指数であればニュースにも取り上げられているので、情報の取得もしやすいのです。

分散投資が可能で安全性が高い

「分散投資」とは、様々な「国」「業種(セクターとも呼びます)」「金融商品(株・債権・金…)」」などに投資先を分散させることで、投資の王道手段です。「一つのかごに卵を盛るな」という格言も有名だと思います。

投資先を分散することで、それぞれの商品が異なる値動きをするため、市場が不況であっても大幅な下落を抑える効果があるのです。しかし、投資初心者の方が、自分で考えて適切な分散投資ができるかと言えば、正直難しいのが現実です。

しかし、インデックス投資で扱う「投資信託」や「ETF」は、最初から複数の投資対象を適切な配分で組み入れています。なので、そのインデックスファンドを1銘柄購入するだけで、初心者でも簡単に分散投資ができるのです。

また、複数のインデックスを組み合わせることで、分散効果はさらに高まります。例えば、株式を対象とする投資信託だけでなく、不動産や債権、金を含むファンドをポートフォリオに組み込むことが挙げられます。

初心者でもお手軽に、しかも少額から分散投資が出来るのはインデックス投資の大きなメリットなのです。

手間がかからない

個別株取引を行う場合、どのように運用するか想像してみてください。銘柄選定から始まり、買い付けるタイミングを見極め、株価チャートとにらめっこしながら売却のチャンスを伺わなくてはいけません。利益を得るには、多くの労力が必要なのです。

対してインデックス投資の場合、ベンチマークに連動する商品を購入するだけの作業です。ベンチマークの選定には十分な時間を割いたほうがよいですが、それさえ決めてしまえば、あとはほとんど手間いらずです。実際にインデックス投資を始めれば分かりますが、投資をしていることすら忘れてしまう方もいるほどです。

まとめ:インデックス投資こそ、初心者が活用すべき投資スタイル

今回の記事では、インデックス投資の概要や初心者に推すスネの理由についてお伝えしました。

インデックス投資は投資経験が浅い段階でも利用しやすいことから、投資初心者におすすめの投資手法となります。投資したいファンドさえ決めてしまえば、あとはみなさんに代わって、プロの投資家が運用をしてくれます。しかも、分散投資に向いていることからも、比較的安全性は高く、長期的な目でコツコツ利益を出すことが可能なのです。

また、金融商品の中でも手数料が安いことも大きなメリットです。特に長期で運用することが前提のインデックスでは、手数料の総額もバカにできません。そのため、運用コストの低さは、長期運用を前提としたインデックス投資とも相性がよいのです。

一つ注意点としては、インデックス投資は「短期間で大きく当てる」投資ではないことがあげられます。短期間の儲けを狙いたいのであれば、インデックス投資ではなく、「デイトレード」や「FX投資」などを活用すべきです。投資手法によって目的が異なりますので、それぞれの目的に合った手法を実践するよう心懸けて下さい。インデックス投資の場合は、「投資」という名前こそついてはいますが、実態からすると「資産運用」という言葉のほうが適切だと思います。

「これから投資をスタートする!」という初心者の方は、インデックス投資から投資をスタートすることをおすすめします。インデックス投資から始めて、投資の知識がついてきた段階で個別株投資や信用取引などに手を出しても、まったく遅くないと思いますよ。