投資とは?始めるべき理由やメリットをわかりやすく解説します【初心者向け】

2021年7月28日

みなさんは「投資」と聞いて、いったい何を想像するでしょうか?

「運次第で一攫千金のチャンス!」「お金が減るのが怖い」「自分には全く関係ない世界」と、人によって反応は様々だと思います。

自分で稼いだお金をどう使うかは、極論、個人の自由です。しかし、これからの時代を乗り切っていく上で、資金の一部を投資に回して、自分の手で資産を形成する重要性は高まりつつあります。

「老後2000万円問題」が話題になったのも記憶に新しいですよね。老後2000万円問題が注目を集めた理由は、国が「国民の老後の面倒はみられない」と認めたことにあります。つまり、自分たちの力で資産を形成しなくてはならない時代に直面しているわけです。

一方で現実に目を向けると、“平成30年における60代の貯蓄額中央値は1,000万円”しかありません(家計の金融行動に関する世論調査 金融広報中央委員より)。つまり、貯蓄だけの資産形成では、安泰した老後を送ることは非常に難しいのです。

だからと言って、投資の経験がない方にとっては「何から始めたら良いか」「どの分野の勉強をすればいいか」右も左も分からないのが実情だと思います。

この記事は、そんな「投資とは縁のない」人生を送ってきた初心者に向けての内容になります。読んでいただければ、投資の基礎が分かるだけでなく、投資をしない人生の危険性にも気づいていただけるはずです。

投資は怖いものではありません。むしろ、上手に向き合うことで、わたしたちの味方になってくれるはずです。さあ、投資について勉強していきましょう。

そもそも投資ってなに?

「投資」という漢字を読み解くと、「資本を投げる」となります。資本とは、ざっくり表現すればお金のこと。つまり投資とは、「現在のお金を投じることで、将来的に得られるお金を増やす行為」ということができます。

では「お金を投じる」先には、どのような種類があるのでしょうか。実は、この「投じる先」が株式であったり、不動産であったり、投資信託であったり、いわゆる投資商品になります。ここでは、「投資先にはたくさん種類があるんだな」ということだけ理解してもらえれば問題ありません。

また、投資は「お金を増やす」ことを目的にしていますが、すべての投資は不確実性を伴います。言い換えれば、「お金を増やそう」としていたけど、結果的に「お金が減ってしまう」可能性があるということです。この不確実性が、「投資は怖いもの」と感じる最大の理由だと思います。

しかし、投資の知識を身に付けることで、不確実性を抑えつつ、利益を最大化することができます。この動画も参考に、いろいろな知識を蓄えていきましょう。

余談ですが、この不確実性のことを投資では「リスク」と表現します。日常生活では「リスク=危険性」という意味で使われることが多いので、「株式投資はリスクがある」という文章を「株式投資は危険性がある」と読み替えてしまいがちですが、実はこれ間違いなのです。

さきほども言いましたが、投資の世界では「リスク=不確実性」です。つまり、「増えるかもしれしないし、減るかもしれない」という変動性のことを指します。

よって、「株式投資はリスクがある」の正しい言い換えは「株式投資は投資したお金が増えるかもしれしないし、減るかもしれない。揺れ動くもの」となります。初心者の方が勘違いしやすいポイントなので、これを機に覚えてしまいましょう。

なぜ投資が必要なの?

みなさんも「貯蓄から投資へ」というフレーズを、銀行やネット広告で目にしたことがあると思います。

ビジネスパーソン男女500名に実施したアンケートでは、資産運用をしている方の割合は37.6%(資産運用に関するアンケート 株式会社じぶん銀行より)と、半分以上の日本人が「資産運用未経験 」という結果が出ています。みなさんの中にも、「貯金は経験あるけど、投資はしたことがない」という方も多いはずです。

なぜ日本人は貯蓄を好み、投資を敬遠するのでしょうか。そして、なぜ今になって投資の必要性が見直されているのでしょうか。その理由を紐解くには、時代を高度成長期の日本までさかのぼる必要があります。

1980年代は日本経済が目覚ましい成長を遂げた時代でした。金利も経済情勢を反映するように高く、普通預金で2%、定期預金では6%という高水準を誇っていました。現在の金利は0.001%ということもザラですから、いかに当時が好金利であったかがわかると思います。

金利が高いということは、お金を銀行に預けるだけで、たくさんの利子を受取ることができたわけです。わざわざ「投資をしてお金を増やそう」なんて、考えなくてもよかったわけですね。

この高度成長期の名残が、日本人の「貯金をすればダイジョウブ」という考え方を形成する要因の一つです。

ですが、これからの時代は投資を敬遠して生きていくことが難しくなりつつあります。

「超高齢化社会」「終身雇用制度の終了」「老後2000万円問題」といったニュースを耳にしたこともあると思います。「退職するときは十分な退職金、老後は年金を満額受給」できる時代は過去のものになってしまったわけです。

これからの時代は国や会社に頼らず、個の力で生きていくことが必要になりつつあります。今こそ投資をはじめて、自分の力で資産を形成すべき時代がきているのです。

投資のメリット

投資の必要性は分かったと思いますが、具体的に投資は私たちに何をもたらしてくれるのでしょうか。実は、投資には資産を形成できる以外にも、色々なメリットが存在するのです。ここでは3つのポイントに絞って投資のメリットをお伝えします。

①複利効果で資産形成ができる

複利は、アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだ仕組みです。ずばり「利子が利子を生む」という考え方のことを指します。

例えば、手元の1,000万円を5%で運用できる商品があったとします。これを1年間運用した場合、1,000万円×5%=1,050万円を手にできます。

では、2年間運用した場合はどうなるでしょうか。元手の1,000万円は1年後に1,050万円になります。2年目は、この1,050万円を元手に運用することになるため、1,050万円×5%=1102.5万円を手にすることができます。

つまり、複利とは「利子を元本に取り入れることで年を経るごとに元本が増大し、そこから生まれる利子もどんどん大きくなる」という考え方です。

カンの鋭い方はお気付きかと思いますが、この複利効果は時間が経過すればするほど、大きな威力を発揮します。「資産形成は長期間が有利」と言われるのは、この複利効果によるものが大きいのですね。

②家計を見直すきっかけになる

投資商品を買うお金はどこから捻出されるでしょうか?答えは当然、「みなさんの財布」からです。

みなさんは日々、いろいろなことにお金を使っています。中には、食料品や光熱費など生活には欠かせない支出もあるでしょう。投資をするお金は、このような生活資金を差引いた余剰金で行うよう心懸けて下さい。投資は人生をより豊かに生きるために行うものです。生活資金にまで手を付けたばかりに、家計が火の車になっては元も子もありません。

必ず、余裕のあるお金で投資を始めることをオススメします。

③社会情勢に関心を持てる

投資商品は様々ですが、実は共通点があります。それは、経済・国の金融政策・景気などに左右される、ということです。

投資商品を購入すれば、「商品が値上がりしたか」気になるのは当然ですが、それを左右するのが世界の国々の社会情勢になります。投資をきっかけに、自身のアンテナを高くして、世界各国の政治や経済に興味をもてるようになるのは、素晴らしいメリットだと思います。

投資の注意点

みなさんが危惧されるように、投資は全員が成功できるものではありません。どのような注意点があるか、投資を始める前に知っておきたいポイントを2つお伝えします。

①元本割れすることがある

投資対象にもよりますが、投資をすることでかえって資産が減少してしまうことがあります。100万円で購入した商品が、1年後に90万円に下落してしまう、ということも日常的にあります。

このように、投資した資金が収益を下回ることを「元本割れ」と言います。

すべての投資商品は、「下落のリスクを背負う代わりに、利益を得られる可能性もある」という性質があることをご理解下さい。厳しい言い方をしますが、特をしても損をしても、すべては自己責任の世界です。

②投資資金は必ず余剰金で行うこと

投資のメリットでもお伝えした通り、投資は必ず余剰金で行うことを約束して下さい。

どれだけ魅力的な商品であっても、使い道が決まっている資金を投じてはいけません。「投資商品を購入したばかりに、今日の食べ物に困ってしまう」ようでは本末転倒と言わざるをえません。

裏を返せば、投資という行為は、支出の適正化やライフプランニングと相性が良いと言えます。「我が家は十年後までに500万必要だから、毎月3万円ずつ投資に回そう。3万円投資に回すには、食費が多すぎるから、来月からは外食を減らそう!」といった具合です。

投資をきっかけに家計簿を始めたり、長期的なライフプランを立案したりするのもいいかと思います。

まとめ

今回は、投資初心者に向けて投資のアウトラインを説明しました。

初心者の方は「投資は怖いもの」というイメージを持ちがちですが、それは無知ゆえに恐怖を抱いているにすぎません。投資についての知識が増えるごとに、投資のイメージも少しずつ変化するはずです。

これを機に投資に興味を持って、資産形成の一歩目を踏み出してはいかがでしょうか。